【ラグビーW杯現地観戦】イングランド×ニュージーランド、オールブラックスの完敗

10月26日にラグビーワールドカップ準決勝『イングランド×ニュージーランド』の試合を現地観戦してきました。最強チームことオールブラックスと、策士エディー・ジョーンズが率いる対抗馬イングランドとの大一番です。

事実上の決勝戦と言われた試合

今回の『イングランド×ニュージーランド』は事実上の決勝戦と盛んに言われた試合でした。

ランキング1位2位の対決

サッカーで参考になるFIFAランキングは数ヶ月に一回という更新頻度ですが、ラグビーの世界ランキングは試合が行われる度に更新されます。

特にワールドカップの試合はポイントが2倍なのでランキング順位の変動も大きく、この準決勝の前には世界ランキング1位:ニュージーランド、2位:イングランド、という順番でした。

ランキング1位2位の直接対決ということもあって、この試合は事実上の決勝戦と言われていました。

確かに反対側の山では、フランスに薄氷の勝利をしたウェールズ(同3位)と日本に大勝したとはいえ今ひとつエンジンがかかりきっていない南アフリカ(4位)のため、よりこっちの組み合わせが注目されていた面もあります。

明らかなニュージーランド有利

マスコミは盛んに事実上の決勝戦と騒ぎ立てていましたが、データ上はニュージーランドの優位は動きませんでした。

イングランドはニュージーランドの過去の対戦成績で7勝33敗1分と大きく負け越しており、なによりワールドカップでニュージーランドに勝ったことがないのです。

そもそもワールドカップでニュージーランドに勝ったことがあるのはオーストラリア、南アフリカ、フランスだけであり、北半球の国ではニュージーランドに勝ったことがあるのは『フランス』のみ。

今大会も最強の二文字を欲しいままにしている試合内容であり、ナミビア、カナダといった新興国は蹂躙、アイルランド、南アフリカというティア1の強国にも危なげなく勝っており、『こんな奴らだれも倒せないだろ』ってのが正直な感想でしたね。

ここでイングランドが倒されればニュージーランドの3連覇は確定かと思っていたくらいです。

試合開始までの雰囲気

新横浜の日産スタジアムに来るのは2週間前の『日本×スコットランド』戦以来2回目でした。前回は車で近くまできてそのまま入ったので、今回は新横浜駅から歩いてスタジアムに入っていきました。

新横浜駅も既に大盛況

新横浜駅は結構都心からのアクセスが悪くて新幹線を使えば1駅ですが、在来線を使うと何度か乗り換えが必要な面倒な場所にあります。

私は、菊名駅での乗り換えなどしましたが、乗り換えに使われそうな駅ではどこでも案内板と立て看板をかかえた駅員さんがいて、迷う人はいなかったでしょうね。

途中パキスタンラグビーのジャージを来ている方に遭遇。パキスタンもラグビーやってるんだ・・・

新横浜駅につくと、両国国歌の歌詞カードが配られていました。今回こういう対応は素晴らしいですね。

スタジアムまで問題なし

スタジアムまでは人の流れがしっかりできていてこちらも迷う心配なし。むしろ途中にいる路上の違法グッズ販売外国人や、『Sell me ticket』の看板を持ってウロウロしている外国人のほうが目立ちましたね。

ゲートはすでに大混雑。とはいえ試合観戦を何回もやっていると見慣れた光景になってます。

ニュージーランドのTV局のインタビューはオールブラックスの試合では必ずいますね。

 

カテゴリーA:70,000円

今回は昼頃まで都心で用事があったため新横浜入りは16:10頃、試合開始は17:00。

スタジアムに入ったのは16:40頃だったので結構ギリギリでスタジアム内を見て回る時間はなく、そのまま着席。

今回の席もカテゴリーAの席でした。お値段『70,000円』!

さすがに準決勝ともなると値段も跳ね上がってきます。しかし場所的にはゴールポストの少し裏で、まぁまぁいい場所。

試合内容:『カパオパンゴ』vs『V時』(動画あり)

大盛りあがりでの選手紹介、国歌斉唱が行われました。

火柱大盛況の入場シーン

重低音の太鼓にともなって両選手入場は一番盛り上がるシーンだと思いますね。

イングランドの白のサポーターも、ニュージーランドの黒のサポーターも同じくらいいたため、国歌斉唱は日本戦にも負けず劣らずの大音量でした。

にしてもイングランドの「God Save the Queen」は短いので、その後に聞くニュージーランドの「God Defend New Zealand」を聞くとやたら長く感じます。

さて、オールブラックス戦といえばキックオフ直前に行う儀式『ハカ』、このハカを対戦相手は見ていなければならない暗黙のルールがありますが、イングランドは奇抜な対応をしました。

「ハカ」にV字で迎え撃つイングランド

通常のチームは一直線に並んで肩組みをして「ハカ」を見据えるという陣形が多いですが、イングランドはV字陣形の形をとって迎え撃ったのです。

これにはスタジアムも困惑で、リアルにカイジのの演出『ざわ・・ざわ・・』という声が聞こえてくるようでした。

実際の雰囲気はこんな感じ。ざわざわしている人、歓声をあげる人、既にスイングロー・スウィートチャリオットを歌い始めるイングランドサポーターなど、かなりカオスでした。

Twitterなんかでは戦国時代の戦術を元に、オールブラックスのハカは”魚鱗の陣”、それにイングランドは”鶴翼の陣”で迎え撃ったなんて紹介がされていましたね。川中島の闘いでしょうか。

イングランドのHCは2015年大会で日本を率いたエディー・ジョーンズ氏でしたが、さすがにそこまで考えていたわけではなく、後にイングランド選手の一部は陣形を理解していなかったことも暴露されています。

しかし『普段と違う対応』をしたことでオールブラックスはともかく、観客は明らかに動揺をしていました。異様な雰囲気が包み込む中のキックオフでした。

前半はイングランドが圧倒

試合は観客の動揺が伝わったのかオールブラックスが終始押される展開になりました。

特に試合序盤ではイングランドの電光石火の攻めが続けられて、ノーホイッスルトライが決められました。正直、あっけなさ過ぎて周りのイングランドサポーターも大喜びする人半分、『あれ?もうトライ?ウッソマジマジ???』という人半分と言った感じでした。

「7-0」

その後オールブラックスも反撃に出ますが、ポイントを抑えたイングランドのタックルに攻撃を的確に潰されて為す術がない状況です。正直、オールブラックスがここまで抑えられているのは予想外で、周りの黒いサポーターも必至に声援を贈ります。

対して優勢のイングランドは応援歌「スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット」の大合唱。

ラインアウトでもイングランドがきっちり決める中、オールブラックスは何度かミスをして、らしくないプレーが続きます。

最強のフィジカルを誇る南アフリカにも負けなかったオールブラックスのスクラムがイングランドに何度となく押されて崩されたのを直で見ることができました。

スクラムを崩したことでオールブラックスにペナルティ、それをイングランドはきっちり決めて10点差にして前半が終わりました。オールブラックスが前半で無得点だったのは初めてだったようです。

「10-0」

後半オールブラックスがやっと1トライ

後半早々、イングランドがまたも怒涛の攻め。

受けに回ったオールブラックスはほとんど何もできないまま、ボールを回されてトライを奪われます。目の前でやってくれたトライの瞬間でしたね。

「15-0」

ところがイングランドに反則があったということでTMO(テレビジョンマッチオフィシャル)が取られます。せっかく15-0で試合が決まりかけた中でのTMOにイングランドサポーターは大ブーイング。

結果的にイングランドにノックオンがあったと主審が認めたのでトライは取り消されることに。幻のトライとなってしまいます。逆にオールブラックスにとっては首の皮一枚でなんとか繋がったラッキーな展開。

「10-0」

しかしイングランドの優勢は全く変わらず、オールブラックスは攻めても攻めてもイングランドのタックルに陣地を上げることが出来ず、逆にペナルティを与えてPGで徐々に話されていく展開に。

後半半ばになってようやく1トライ奪いますが、これは明らかにイングランドのパスミスがあったため、オールブラックスがイングランドの陣形を崩したわけではないラッキートライ。

そのラッキーも1度までで、このトライ以降オールブラックスは1得点もとれず、逆にイングランドはPGを3本決めて2トライが必要な点差に。

「19-7」

今日の入場者数は68,843人!2週間前の『日本×スコットランド』戦が台風の影響とはいえ65,000人台に抑えられたということで、日産スタジアムでも最高レベルの人入り。

そして時間は数分残っているものの、点差が点差だけにイングランドサポーターは勝利を確信したお祭り騒ぎ。オールブラックスのサポーターの中には帰り始める人すらいました。

そしてノーサイド。

正直イングランドが勝つ可能性も少しは考えてましたが、ここまで完勝するとは完全に予想外でしたね。

 

ノーサイド:敗者への花道と勝者への花道

オールブラックスのメンバーには負けを受け入れられないのか茫然自失していた選手も見受けられました。ほとんど何もできずの完敗でしたからショックも大きかったのでしょう。

また挨拶回りの後に、2人ほどの選手が向かい合って何かをやっていました。そういえば選手の中には何人かイスラム教徒がいるということでしたので、神に捧げる祈りだったのでしょうか。

そして恒例のお辞儀周り。オールブラックスとしてはショックだったとはいえ、しっかりとこなすところにプロ選手のプライドを感じます。

最後はイングランドの選手がオールブラックスへの退場の花道を作っていました。

そこを通り抜けたオールブラックスのメンバーは、再度また花道を作り、イングランドの選手を送り出しました。お互いへのリスペクトは素晴らしい光景ですが、オールブラックスのショックを見ていた私はせめてもの抵抗のようにも感じてしまいました。

そしてナミビア戦でも見たようにメンバーの大半が退場した後に、試合会場で体を動かす何人かの選手がいました。リザーブか、もしくはベンチ入できなかったメンバーでしょうか。

最後は、近くまで来てのファンサービスをやってくれたメンバーも。3連覇が閉ざされ、2007年以来12年ぶりの敗戦、圧倒的有利を覆された完敗、とショックも大きな中、こういうことができるのは素晴らしい。

前回のスコットランド戦とは反対側からスタジアムを出ました。

夜に見るスタジアムは石柱がいい感じを出していますね。

今回は6万9000人が一気に退場するわけですからね。こうなる・・・。

小机駅へ向かいました。

駅前の出店では光に向かって乾杯する外国人の面々

試合が終わればノーサイドで互いをリスペクトして一緒にビールを飲み交わそうという話も、今回ばかりはオールブラックスのサポーターはショックが大きかったのか元気のない人が多く見られましたね。

ある意味では、『オールブラックス最強時代』の終焉を現地で目撃したことになりますね。

後日、NZの新聞は一面黒塗りの記事で敗戦を報告。代表の成績が国の景気にまで影響するニュージーランドで、オールブラックスがいかに注目され、勝利が義務づけられていたかが如実にわかる一面ですね。一度の敗戦ですべてが終わる・・・そんなプレッシャーとも戦っていたオールブラックス。

ワールドラグビーでは、イングランド、ニュージーランド、両HCのコメントも掲載。

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